教育哲学研究
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価値多元化社会における徳と教育
規範的教育哲学の試み
片山 勝茂
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2006 年 2006 巻 94 号 p. 85-90

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抄録

現在の研究課題を一言で表すと、「価値多元化社会における徳と教育-古代ギリシア徳倫理学と現代リベラリズムの観点から-」となる。この研究課題はとても大きなものであるため、課題を整理、分析しつつ、様々な角度から取り組むようにしている。以下で説明するように近年の研究内容は多岐にわたっているが、研究関心は一貫して、徳倫理学やリベラリズムといった規範的哲学 (normative philosophy) の立場から、現代の日本や英国といった多文化社会、価値多元化社会にふさわしい教育のあり方を問う、というところにある。したがって、私の研究は現代の (南アフリカやオランダを含む) 英米圏で主流になりつつある規範的教育哲学という流派に属するものといえる。本稿では、英米圏の教育哲学研究の現状に照らしつつ、私の現在の研究について、その背景や具体的な研究成果、進行中の研究の内容などを説明したい。ただし、叙述の都合上、必ずしも時系列に沿った説明とはなっていないことをお断りしておく。

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