本稿は中国語の異なるジャンルに属する新聞記事と小説におけるいわゆる「意合法」の状況を比較した。結果として、新聞記事における接続語のゼロ形式の割合は33%であり、小説における接続語のゼロ形式の割合より約20%少なかった。このことから、新聞記事における論理関係は明示的な手法により表す傾向があるといえそうである。これは、新聞記事の執筆の面においての要求に由来すると考えられる。新聞記事は、限られた紙面の中で、事実を簡潔明瞭かつ正確に伝えることが求められるため、接続語の使用は効果的かつ効率的な表現手段であると考えられる。このほか、新聞記事には事柄についての報道以外にも論説があり、これも小説よりも新聞記事に接続語が多く使われている要因の1つである。