トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)の血清学的手法による検出技術を確立するため,大腸菌内で発現させたウイルス外被タンパク質(CP)を抗原として作製した抗血清でウイルスの検出を試みた。大腸菌内発現用ベクターpMAL-c2に,マルトース結合タンパク質(MBP)と融合タンパク質としてTYLCV長崎系統のCPが発現するように導入したクローンを構築した。このクローンを用いて形質転換した大腸菌でMBP-CP融合タンパク質を発現させ,親和性カラムで精製した融合タンパク質を抗原としてウサギに免疫し,抗TYLCV-CP血清を作製した。本抗血清より精製したIgGを用いてELISA法で検討したところ,純化ウイルスおよびTYLCV長崎系統罹病トマト葉磨砕液に対し特異的な陽性反応が認められた。