九州病害虫研究会報
Online ISSN : 1884-0035
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49 巻
選択された号の論文の28件中1~28を表示しています
  • 荒井 治喜, 中島 隆
    2003 年49 巻 p. 1-4
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    2001年に,中四国および九州沖縄地域の各県発生予察圃場を中心にいもち病罹病標本の採集を行い,単胞子分離菌株を得た。常法に従い,Yamada et al. (1976)のレース判別品種を基本とした12判別品種に接種してレース検定を行った。供試した301菌株は,8レースに判別された。最も分離比率が高かったレースは007で,次いで001,005,017.1,101が続き,003,033.1,047.2はそれぞれ1菌株のみであった。地域別に比較すると,中四国地域では7レースが確認され,レース007菌株が61%と優占していたものの001菌株も27%と高い比率であった。九州沖縄地域では5レースが確認され,レース007が94%と極めて高い分離比率を示した。レース007が優占している要因として,いもち病真性抵抗性遺伝子PiaとPiiを保有する品種「ヒノヒカリ」の作付割合が高くなってきたことが最も大きいと考えられるが,中四国地域では「コシヒカリ」の作付面積が最も多く,九州沖縄地域でも作付第2位である。さらに,+型やPii型品種からもレース007が分離される事例があったことから,レース構成の変動には,作付品種の抵抗性遺伝子型に加えて複数の要因の関与が考えられた。
  • 亀谷 満朗, 村上 公朗, 谷口 晃弘, 板倉 秋子, 中尾 圭一, 鍛冶原 寛, 井上 興, 伊藤 真一, 田中 秀平
    2003 年49 巻 p. 5-8
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    山口県において,1997,1998年の2年間ダイズのウイルス病を調査し,病原ウイルスの同定を行った。ウイルス症状株70株を採集し,数種検定植物に汁液接種したところ,4グループのウイルスが検出された。それぞれについて,宿主範囲,伝染方法,粗汁液中の安定性,粒子の形態,血清学的類縁関係を調べたところ,Peanut stunt virus, Soybean mosaic oirus, Bean common mosaic virus soybean strain,Bean common mosaic virus blackeye cowpea mosaic strain と同定された。これらのうち,前3種ウイルスの発生が多かった。
  • 佐山 充, 小川 哲治, 迎田 幸博
    2003 年49 巻 p. 9-12
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    We investigated mating types, allozymes of glucose-6-phosphate isomerase (Gpi), colony development ability on oatmeal agar, and metalaxyl resistance among 118 isolates of Phytophthora infestans obtained from potato on Shimabara peninsula, Nagasaki prefecture, in 2002. The frequency of Al mating type isolates was 66%. The ratio of Al mating type isolates in the south and west of Shimabara was higher than that in the east. All of the isolates had the 100/100 allozyme pattern of Gpi, indicating that the Al isolates do not belong to US-1 genotype Poor growers on oatmeal agar were a majority in the Al isolates and good growers were a great majority in the A2 isolates. Fifty-eight percent of the isolates were resistant to metalaxyl, 20% were intermediately resistant, and 2396 were sensitive. Sensitivity to metalaxyl was closely associated with mating type: resistant isolates with Al mating type and sensitive with A2. On the basis of Gpi-allozymes, metalaxyl resistance, and colony development on oatmeal agar, more than 70% of the Al isolates probably belong to the A strain.
  • 仲川 晃生, 菅 康弘, 迎田 幸博, 大司 さえき, 和泉 勝一, 福永 求
    2003 年49 巻 p. 13-18
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    暖地二期作条件下におけるジャガイモそうか病防除対策として,現在作付け前毎に年間2回土壌注入されているクロルピクリン剤の年間での使用量を低減するため,本剤処理の次作での防除持続効果について検討した。ジャガイモそうか病の発生は,一作目クロルピクリン剤一二作目無処理とした場合に無処理作で低下する傾向を示し,持続効果はある程度あると考えられたが,2作とも無処理区との間に統計的な有意差は認められず,クロルピクリンくん蒸剤の効果は二作目で低下すると考えられた。一方,二作目でフルスルファミド剤やフルアジナム剤などの土壌混和殺菌剤処理を行った場合は,二作とも無処理の場合に比べ発病は有意に低下し,土壌消毒効果の維持が認められた。二作目を無処理とした場合,ジャガイモの塊茎数および塊茎重は本剤連用区に比べて低下することから,裁植密度や施肥管理等の検討と対策が必要である。
  • 杉澤 武, 奥田 充, 花田 薫, 岩波 徹, 中里 工
    2003 年49 巻 p. 19-22
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 松尾 和敏, 内川 敬介
    2003 年49 巻 p. 23-28
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    メロンえそ斑点病に対する各種薬剤の防除効果を,メロン幼苗利用による土中のMNSVやO.radicaleの検出法を活用した室内検定により検討したところ,供試16剤のうち,土壌くん蒸処理ではクロルピクリンくん蒸剤30L/10a,クロルピクリン・D-Dくん蒸剤(40%,52%)30L/10a,クロルピクリン・D-Dくん蒸剤(35%,61%)30L/10a,D-D剤40L/10a,ダゾメット粉粒剤40kg/10a,カーバムナトリウム塩液剤3倍液の60,120,180,240L/10aおよびヨウ化メチルくん蒸剤30.40kg/10a,土壌灌注処理ではアゾキシストロビン水和剤1,000倍,2,000倍およびベノミル水和剤1,000倍,粉剤の土壌混和処理ではフルアジナム粉剤80kg/10aの計10薬剤が,本病に対して防除効果がが高いことが明らかになった。今後,本試験で効果が高かった薬剤の圃場での防除効果やメロンの生育への影響,作業性などを含めた実用性を明らかにする必要がある。
  • 松尾 和敏, 内川 敬介
    2003 年49 巻 p. 29-32
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    えそ斑点病汚染土壌をつめたビニルポットにメロン幼苗を植え付け,人工気象器内で20,25および30℃で育成したところ,根部において媒介菌であるO.radicaleは光顕観察により30℃で1週間後,MNSVもELISA検定により25℃で1週間後に検出された。その後,いずれも増殖し,O.radicaleの増殖量は,30℃で最も多く,次いで25℃,20℃の順であったが,MNSVは25℃が最も多く,次いで20℃,30℃であった。O.radicaleの器官別では,25℃で管理すると1週間後には遊走子のうが認められて次第に増加し,3週間後には休眠胞子も検出され始めて,4週間後以降は休眠胞子の方が割合が高くなった。以上のことから.メロン幼苗を汚染土壌に植え付け,25℃で,3週間育成すると,根部からO.radicaleとMNSVを同時かつ容易に検出できることが明らかになった。本検出法は,土中におけるこれらの動態解明や土壌消毒の効果確認のほか,抵抗性品種の検定や拮抗微生物の選抜など,本病に対する防除素材の検索などに活用できると思われる。
  • 今村 幸久, 川越 洋二, 泥谷 公子, 小坂 能尚, 田村 逸美
    2003 年49 巻 p. 33-36
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 西村 範夫
    2003 年49 巻 p. 37-40
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    Fusarium oxysporum was isolated from farmers plastic houses, in which root rot of butter-head lettuce had spread, in Fukuoka prefecture. Eighty-seven isolates of F. oxysporum f. sp. lactucae race 3 were divided into four vegetative compatibility groups(VCGs). and all 119 isolates were obtained from diseased plants belonging to one of the four VCGs. VCG 1 was perfectly independent of the other VCGs. However, many isolates assigned into VCG 2, VCG 3. or VCG 4 formed not only strong heterokaryons with their own testers, but also strong or weak ones with testers of other VCGs. Some pathogenic isolates formed bluish-purple or bluish-brown colonies with dark gray aerial hyphae on a selective medium. Fo-W1. These isolates belonged to VCG 1. As a result, the pathogen could be distinguished from other F. oxysporum isolates by vegetative compatibility and the characteristics of colonies on Fo-W1.
  • 上田 重文, 石井 貴明, 花田 薫, 岩波 徹
    2003 年49 巻 p. 41-44
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    トマト黄化葉巻ウイルス(TYLCV)の血清学的手法による検出技術を確立するため,大腸菌内で発現させたウイルス外被タンパク質(CP)を抗原として作製した抗血清でウイルスの検出を試みた。大腸菌内発現用ベクターpMAL-c2に,マルトース結合タンパク質(MBP)と融合タンパク質としてTYLCV長崎系統のCPが発現するように導入したクローンを構築した。このクローンを用いて形質転換した大腸菌でMBP-CP融合タンパク質を発現させ,親和性カラムで精製した融合タンパク質を抗原としてウサギに免疫し,抗TYLCV-CP血清を作製した。本抗血清より精製したIgGを用いてELISA法で検討したところ,純化ウイルスおよびTYLCV長崎系統罹病トマト葉磨砕液に対し特異的な陽性反応が認められた。
  • 森田 昭, 野中 福次
    2003 年49 巻 p. 45-49
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    ビワ葉に親和性細菌であるビワがんしゅ病菌(Pseudomonas syringae pv. eriobotryae)Bグループ菌を接種すると,ビワのファイトアレキシンであるaucuparinが病斑発現とともに検出されるが,病斑拡大停止時には消失し,これに代わって.eriobofuranが検出されるようになった。ビワ葉に非親和性細菌であるタバコ野火病菌(Pseudomonas syringae pv. tabaci)を接種すると,病斑は形成されないが接種直後からaucuparinが検出され,eriobofuranは検出されなかった。これらのことから,aucuparinは病原菌の侵入・感染に,eriobofuranは病斑拡大阻止に関与していると考察した。
  • 草野 成夫, 井樋 昭宏
    2003 年49 巻 p. 50-55
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    リンゴステムグルービングウイルス(ASGV)をカンキツから高感度,簡便に検出するため,ワンステップIC-RT-PCRの利用を検討した。その結果,試料磨砕緩衝液ヘトリトンX-100(0.1%)を加えることと,逆転写反応を使用試薬に応じた最適温度で行うことによって検出感度が向上し,カンキツ硬化葉ならびに100万倍に希釈した新梢磨砕液からも検出が可能であった。本法は,通常のIC-RT-PCRで必要な,抗体によるウイルス粒子捕捉後の熱処理が省略でき,また,反応溶液への逆転写酵素とDNAポリメラーゼの同時添加により,1本のPCRチューブ内で逆転写反応とPCR反応を連続して行うので試薬類の分注操作が簡略化できる。さらに,抗体をコーティングしたPCRチューブをすぐに-80℃に保存すれば6ヶ月後でも使用可能であった。本方法により,抗体によるウイルス粒子の捕捉からRT-PCR反応までを1本のPCRチューブ内で連続して行うことが可能となり,従来法に比べ,より高感度,簡易,迅速にASGV保毒の有無を診断できると考えられた。
  • 尾松 直志, 鳥越 博明
    2003 年49 巻 p. 56-60
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    2000年3月,鹿児島県大島郡和泊町において,収穫間近のスプレーギクで,発蕾後花芯部分が褐変し,蕾が腐り,症状が進むと花首が折れ曲がる病害が発生した。発病部分からは細菌が分離され,キクに接種すると同様の症状が再現された。分離菌株はグラム陰性,好気性の極毛を有する桿菌で,グルコースを酸化的に分解し黄緑色蛍光色素を産生することから,Pseudomonas属細菌と考えられた。またLelliottらのLOPAT法による蛍光色素生産性Pseudomonas属植物細菌の類別に則って類別するとグループIIに属し,P.viridiflauaであると考えられた。そこで,分離菌株の細菌学的性質をP.viridiflava,P.cicoriiおよびP.marginalisと比較すると,分離菌株は調査した29項目すべてにおいてP.viridiflauaと一致した。以上の結果から分離細菌をPseudomonas viridiflava (BURKHOLDER 1930) DOWSON 1939と同定した。P.viridiflauaによるキクの病害はこれまでに報告されておらず,病名をキク花腐細菌病 (Bacterial blossom blight) とすることを提案する。
  • 佐藤 俊次
    2003 年49 巻 p. 61-65
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 松浦 明, 築尾 嘉章
    2003 年49 巻 p. 66-70
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    宮崎県のスイートピー栽培地域において,これまでに報告のない生育障害が発生した。本症状は播種直後の9月上旬から30日後くらいまでの間に多発し,生育不良や萎凋,立ち枯れなどの症状を呈した。萎凋症状が激しい株では根部の褐変や腐敗の程度が高く,根量が非常に少なくなった。本症状の発生は播種後の大雨などでハウス内が冠水または滞水した場合に多かった。被害株から2種類のPythium属菌が分離され,接種試験により同様の病徴を再現し,接種菌が再分離された。形態的・生理的特徴から両菌をPythium aphanidermatum (Edson) Fitzpatrick,およびPythium myriotyhim Drechslerと同定した。本症状は両菌による病害であることが明らかになったのでスイートピー立枯病(新称)と呼称することを提案する。
  • 足達 太郎
    2003 年49 巻 p. 71-76
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1997年3月に中国・広西チワン族自治区の一農村において,水稲病害虫とその防除に対する農民の認識を調べることを目的に,戸別に聞きとり調査を行なった。
    1.水稲収量が近年急増した要因として,多くの農民が「合理的な施肥」「改良品種の使用」とともに「病害虫防除の実践」をあげた。病害虫は水稲生産の阻害要因として最も重要であると認識されていた。
    2.農民が言及した病害虫の内訳は,ズイムシ類,コブノメイガ,イネウンカ類,カメムシ類,イネノシントメタマバエ,イネ紋枯病などが多かった。
    3.現在行なっている病害虫防除の手段として,回答者のすべてが「農薬散布」をあげた。農民がこれまでに使用したことがある農薬の種類の合計は,殺虫剤12品目,殺鼠剤2品目,殺菌剤1品目であった。
    4.農薬の悪影響や天敵の有効性を指摘する農民も存在するものの,増収のためには農薬の使用は不可欠と考えている農民が多かった。
    5.使用したことがある農薬の品目数は,漢族農民のほうがチワン族農民よりも顕著に多かった。また,各農民が知っている病害虫の種類数と耕作面積との間には有意な相関がみられた。このような相関は言語文化や資本力といった社会的背景に根ざしていることが示唆された。
    6.農民の病害虫とその防除手段に関する知識は,「農業老師」などと呼ばれる試験・普及機関の職員および元職員や種子・農薬会社の販売員によっておもにもたらされているらしい。
  • 中村 利宣
    2003 年49 巻 p. 77-82
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    カタグロミドリカスミカメ(以後カタグロ)とムナグロキイロカスミカメ(以後ムナグロ)はセジロウンカやトビイロウンカの卵捕食性カメムシとして知られている。これら2種幼虫の識別を行うため,2種の幼虫をプレパラート標本にして顕微鏡下で形態を観察した。また、ほ場での発生実態を粘着板を用いて調査した。その結果,幼虫の頭部と胸部背面の刺毛がカタグロでは短かく,ムナグロでは長い点で2種の識別ができた。2001年は4ほ場で,2002年は2ほ場で発生消長を調査した。これら6ほ場のうち5ほ場でムナグロが優占種であった。2002年はさらに8月8~13日の間の1日に9ほ場で調査を行った。9ほ場ともムナグロが優占種であった。これら全15ほ場で,セジロウンカは少~中発生,トビイロウンカはごく少発生であった。以上の結果から,セジロウンカが少~中発生で,トビイロウンカがごく少発生の場合はムナグロが優占種となることが示唆された。
  • 3.北部九州(福岡県・佐賀県・長崎県・大分県)における調査
    岩堀 英晶, 佐野 善一
    2003 年49 巻 p. 83-87
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    1) 北部九州の4県,福岡・佐賀・長崎(離島を除く)・大分各県のサツマイモ圃場56筆,およびサトイモ圃場20筆,計76筆の主要有害線虫を調査した。
    2) ネコブセンチュウ類の検出圃場率は,サツマイモ圃場(55.4%),サトイモ圃場(50.0%)で,ほぼ同程度であった。サツマイモ圃場から検出されたネコブセンチュウのほとんどはサツマイモネコブセンチュウであり(93.5%),アレナリアネコブセンチュウは少なかった(6.5%)が,サトイモ圃場では,サツマイモネコブセンチュウとアレナリアネコブセンチュウが同率(50.0%)で検出された。
    3) ネグサレセンチュウ類の検出圃場率は,サツマイモ圃場(5.4%)よりもサトイモ圃場において高かった(35.0%)。サトイモ圃場から検出されたネグサレセンチュウは全てミナミネグサレセンチュウであった。サツマイモ圃場では前作で増殖したと考えられるキタネグサレセンチュウが検出された。
    4) ニセフクロセンチュウの検出圃場率は,サツマイモ圃場(44.6%)の方が,サトイモ圃場(25.0%)よりも高かった。検出圃場率は長崎県,佐賀県で高かった。大分県では検出されなかった。
  • 遠藤 信幸, 和田 節, 千葉 三男
    2003 年49 巻 p. 88-91
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    The aggregation pheromone (a mixture of three components) of Riptortus clavatus (Heteroptera : Pentatomidae) attracted nymphs and both sexes of adults of Piezodorus hybneri (Heteroptera : Alydidae). Large numbers of P hybneri were caught in a pheromone trap placed in a soybean field, compared with very few in a trap placed in grassland 120 m away from the soybean field, but equal numbers of R. clavatus were caught in both traps. Among three components of the pheromone. (E) -2-hexenyl (E) -2-hexanoate (E2HE2H) showed the attractiveness to P. hybneri. and its activity was almost equal to that of the aggregation pheromone. Since E2HE2H is the major component (ca. 71%) of the pheromone and the other components did not show attractiveness, we consider E2HE2H to be the component that attracted P hybneri. P hybneri seems to use this component of the pheromone of R. clavatus, which has a similar host range. as a kairomone to search for food plants.
  • 西本 佳子, 水谷 信夫, 守屋 成一
    2003 年49 巻 p. 92-95
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    We compared the numbers of bean bugs, Riptortus clavatus (Thunberg), and other insects attracted to traps baited with synthetic aggregation pheromone of R. clavatus among traps of different colors: white, yellow, and green. No difference was detected among the colors in the numbers of R. clavatus caught. The numbers of other insects Hymenoptera, Diptera, Coleoptera, and Lepidoptera were significantly higher in the white and yellow traps than in the green one. This might indicate that white and yellow pheromone traps are not suitable for selectively catching R. clavatus.
  • 行徳 裕, 横山 威
    2003 年49 巻 p. 96-100
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    熊本県内で採集したワタヘリクロノメイガを用いて各種殺虫剤の殺卵および殺虫効果を調査した。
    1. 有機リン系,カーバメート系および大部分の合成ピスロイド系殺虫剤の殺虫効果は低く,常用濃度における効果は期待できない。
    2. エマメクチン安息香酸塩乳剤,スピノサド顆粒水和剤,クロルフェナピルフロアブル,アセタミプリド水溶剤,エトフェンプロックス乳剤,ペルメトリン乳剤は速効的で高い殺虫効果および高い殺卵効果が認められた。
    3. BT剤は速効的で高い殺虫効果が認められた。
    4. キチン合成阻害剤および脱皮促進剤は高い殺虫効果が認められるものの,遅効的であるため無処理と同程度の食害が認められた。
  • 古林 優子, 柿元 一樹, 野田 隆志
    2003 年49 巻 p. 101-105
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    タイリクヒメハナカメムシの生殖休眠の誘起に及ぼす温度の影響を11L13Dおよび鹿児島県の秋(10月)~初春(2月)における自然日長条件下で調べた。11L13D条件下では温度が低いほど休眠率が高く,本種の生殖休眠は短日条件とともに低温によって促進されることが分った。また,11L13D条件下では本種の生殖休眠を誘起するのに必要な臨界温度は18℃付近であると推定された。10月~翌年2月の自然日長条件下では,22℃ではどの時期に育っても本種は休眠しなかった。18℃では11月(光周期12L12D~11L13D)と12月(光周期11L13D)に,20℃では11月に育つと休眠個体が多く出現することが示された。光周期が11L13D一定の場合と自然日長条件下での実験結果の違いから,本種の休眠誘起には臨界日長および温度とともに,日長の変化も関与しているものと推察された。
  • 榊原 充隆
    2003 年49 巻 p. 106-110
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    イモゾウムシ成虫に対する人工飼料の交換間隔が,雌成虫の寿命及び産卵に及ぼす影響について検討した。その結果,飼料を10日間隔で交換した場合には,7日後に飼料を交換し,ついで3日後に交換する場合と比較して,雌成虫の生存率と産卵数が低下した。人工飼料育条件下では,生イモ育に比べ,雌雄成虫の寿命が短く,産下卵の孵化率も低くなった。これらは飼料中の水分蒸発に起因する渇水が原因しているものと思われる。
  • 松本 幸子, 山田 健一, 秦 孝弘, 道谷 栄司
    2003 年49 巻 p. 111-115
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 行徳 裕, 戸田 世嗣
    2003 年49 巻 p. 116-118
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
    熊本県内の標高が異なるクリほ場(品種筑波)から収穫適期に10日間隔で果実を採集し,標高別および採集時期別の被害を調査した。また,果実当たり幼虫脱出孔数の分布様式についてもあわせて検討した。
    1.標高(x)と被害果率の逆正弦変換値(y)には有意な正の相関(y=-0.0991+0.0012x,r2=0.752***)が認められ,標高が高い地域で被害が大きいことが明らかとなった。
    2.被害果率は収穫開始時期に少なく,収穫が終了する10月上旬にピークとなった。
    3.熊本県におけるクリシギゾウムシの被害は標高400m以上のクリ園から収穫終期に収穫される果実で最も多い。一方,標高200m以下のクリ園では収穫が終了するまで被害が少ない。
    4.産卵最:盛期における果実当たり幼虫脱出孔数の分布様式は,ボアソン分布であった。
  • 2003 年49 巻 p. 119-131
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 2003 年49 巻 p. 131-158
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
  • 2003 年49 巻 p. 159-164
    発行日: 2003/11/10
    公開日: 2009/05/22
    ジャーナル フリー
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