九州病害虫研究会報
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予察灯周辺の水稲栽培型が第2化期ニカメイガ誘殺消長に及ぼす影響
宮原 和夫橋爪 文次
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1960 年 6 巻 p. 3-7

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抄録
水稲早期栽培圃場の畦畔に予察灯(20W,No.1とする)を設置し,これに誘殺される,第2化期ニカメイガの消長が,普通栽培田に設置した予察灯(対照として新設20W,No.3とする),あるいは早期栽培田の影響をかなりうけると思われる予察灯(既設60W,No.2とする)におけるそれと,どのようにちがうかを検討した.その結果を要約すると次の通りである.
1.既設60Wの予察灯(No.2)では雌雄蛾の飛来数がほぼ同数となつたが,新設20Wの予察灯(No.1,No.3)では雌蛾の飛来数が非常に少なかつた,
2.No.1予察灯では,8月11日に発蛾最盛期が訪れ,その前後に最多飛来日,50%飛来日が集中し,総誘殺数は最も多かつた.
3.早期水稲の影響をかなりうけると思われるNo.2予察灯も同様に発蛾最盛期は8月11日となつたが,50%飛来日は8月23日となつた.
これは8月25日前後になつて,雌蛾の飛来が多かつたからである.
4.早期水田の影響をほとんどうけないと思われる予察灯(No.3)では,最多飛来日8月16日を中心に前後2日の間に発蛾最盛期と50%飛来日が訪れ,前記した2つの予察灯にくらべると飛来時期が明らかにおそく,飛来数もまた著しく少なかつた.
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