九州理学療法士学術大会誌
Online ISSN : 2434-3889
九州理学療法士学術大会2021
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急性期脳卒中患者を対象とした発症後2 週時のFIM に影響する因子
*田中 勝人*田中 健太*巨瀬 拓也*高橋 雅幸*釜﨑 大志郎*大田尾 浩
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キーワード: 脳卒中, 急性期, ADL
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p. 126

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抄録

【目的】

 脳卒中患者のactivity of daily living (ADL) には運動機能や栄養状態、認知機能などの様々な能力が関与する。しかし、急性期脳卒中患者を対象としたADL に影響する因子を検討した研究は散見される程度である。そこで本研究は、発症後2 週時のfunctionalindependence measure (FIM) に影響する初期評価時の因子を検討した。

【方法】

 対象は、2020 年4 月から2021 年4月までに当院へ入院し、リハビリテーションを実施した急性期脳卒中患者とした。除外基準は、発症前のmodified rankin scale(mRS)が4 以上の者、また意識障害により初期評価が困難であった者、テント下病変を認めた者とした。測定項目は、albumin(Alb)、total protein (TP)、握力、下肢荷重力、trunk control test (TCT)、stroke impairment assessment set(SIAS)、mini-mental state examination(MMSE)とした。初期評価は、発症後1 週以内に実施した。リハビリテーションを1週間実施した後に、発症後2 週時のFIM を評価した。統計処理は、FIM の運動項目合計およびFIM の認知項目合計を従属変数とし、初期評価の各測定項目を独立変数とした重回帰分析を実施した。なお、変数の選択には、影響度を確認するために強制投入法を用いた。統計学的有意水準は5%未満とし、解析には、SPSS Statistics V25.0(IBM)を用いた。

【結果】

 分析対象者は、急性期脳卒中患者49 名(平均年齢76 ± 10 歳)であった。発症後2 週時のFIM に影響する因子を重回帰分析で検討した。その結果、FIM 運動項目合計に影響する因子はTCT(標準化係数:0.38,p

【倫理的配慮,説明と同意】

対象者には研究の趣旨と内容を説明し、同意を得たうえで評価を開始した。認知機能の低下などで同意が困難であった者は、家族から同意を得た。本研究は、筆者が所属する病院の倫理委員会の承認を受けた後に実施した。

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© 2021 公益社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会
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