九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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個別開放処遇病棟における買い物グループの試み
_-_QOLからADLへ_-_
*諌山 歩太田 研吾
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p. 1

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抄録

当院は昭和5年に開設した精神科単科320床の都市型病院である。平成14年、個別開放処遇病棟全員を対象に週1回の買物グループを試みた。主に慢性統合失調症の長期間入院生活している者に対して、自分で買物を繰り返すことにより『QOLの向上』を目指した。買物は原則として、小遣いの範囲で行うことにした。1年が経過し、季節にあった服装ができるようになった者、計画的にお金が使えるようになった者など、日常生活の中で様々な変化がみられた。今回のアンケート調査では、買物グループに参加することで、1)生活の中に楽しみができたこと、2)受身的な病棟生活の中で、主体的に関わりを持てる活動が持てたこと、3)回数を重ねる毎に安心感や余裕が生まれ、季節感や身だしなみなど様々なものに興味・関心が広がったことなどが伺えた。買物・外出は「自分の欲しい物を買う」という目的、動機が明確であるため、他のOT活動には参加しない者もこの活動を楽しみにしており、ADLやQOLを変えていく動機付けには有効であったと考える。

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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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