九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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痴呆性老人のQOLに影響を及ぼす要因の検討
*榊原 淳山口 直美山本 奈津美福本 安甫
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p. 114

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抄録
介護老人保健施設入所中の痴呆性老人20名を対象に,痴呆高齢者QOLスケール(以下,QOL-D)を用いてQOLを評価し,痴呆性老人のQOLに関連する諸要因について検討した.結果,QOL-Dとの間に,ADL自立度に強い正の相関が認められ,入所者間のコミュニケーションの状況,および職員とのコミュニケーションの状況とにおいても強い正の相関が認められた.家族との外出,外泊の有無とQOL-Dの関係については,過去3ヶ月に家族との外出,外泊有りおよび正月の外泊有りの方が,無かった者に比べQOL-Dの得点が高い傾向にあった.以上のことから,痴呆性老人のケアやリハビリテーションにおいて,ADL能力を維持できるような身体機能,生活環境へのアプローチと同時に,施設内におけるコミュニケーションの促進ならびに外出,外泊による社会的交流,家族関係の促進が必要であると思われた.
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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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