主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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41℃前腕浴と43℃前腕浴の身体反応の違いについて検討した。対象は、健常若年女性5名である。方法は、41℃前腕浴と43℃前腕浴30分間おこない経過観察した。測定項目は、収縮期血圧、拡張期血圧、脈拍、酸素消費量、体の表在温度、深部体温、皮膚血流量である。結果、収縮期血圧はほとんど変化しなかった。拡張期血圧は43℃前腕浴で平均7mmHg有意に低下し(P<0.01)、41℃前腕浴との比較でも有意差を認めた(P<0.05)。脈拍は41℃前腕浴でと43℃前腕浴で有意に増加した(P<0.01)が、その増加は20拍/分程度までであった。Mets数は41℃前腕浴と43℃前腕浴で有意に増加したが(P<0.05,P<0.01)、共に1.4Metsを越えなかった。表在温度は足指が41℃前腕浴で約6℃有意に上昇し、43℃前腕浴でも約9℃有意に上昇した(P<0.05)。深部体温は41℃前腕浴で.4℃有意に上昇し、43℃前腕浴では.8℃有意に上昇した(P<0.05,P<0.01)。41℃前腕浴と43℃前腕浴との比較でも有意な差を認めた(P<0.01)。皮膚血流量は大腿部が43℃前腕浴で約3 ml/min/100g有意に増加した。なお、全被験者で温浴後に熱傷発症や気分不快感を訴える者はいなかった。