抄録
リハビリテーションの領域が拡大し、実践の場が地域・在宅へと広がりをみせ、セラピストが対応すべきリスクも多岐にわたってきた。 当訪問リハビリテーションセンターにおけるリスクマネジメントの取り組みを紹介する。平成5年の開設時より想定されるリスクに対してマニュアルの整備をおこなうとともに独自のリスクマネジメントの検討も開始した。平成13年より2年間、ヒヤリハット報告書によるデータ蓄積・分析をおこない、平成15年3月よりカレンダー式ヒヤリハット報告書を作成し、スタッフ全員で記録を行い、月毎に訪問スタッフから1名選出したリスクマネージャーがリスクの集計、分析をすることとした。 現方式を継続することにより、想定されるリスクをスタッフ間で共有でき、また新たなリスクの把握、分析が行え、今後も継続的にリスク管理に活用していけるものと考える。 今回、スタッフのヒヤリハット報告書を分析することで訪問の現場でセラピストが対応しなければならないリスクが日常に潜んでおり、多種多様であることが認識できた。 今後この方式による当センターのリスクマネジメントがうまく機能しているかを継続的に評価していく必要がある。