九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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重症心身障害児における喉頭全摘出術とQOLについて
*山口 由佳子岩瀬 裕幸坂口 雅子中川 尚子原 温子砂川 みちる中山 いずみ大平 すみか佐藤 崇
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p. 75

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抄録

今回、重度の脳性麻痺の男児8歳の喉頭全摘出術症例を担当することになった。運動機能レベルはGMFCSでレベルV。知的レベルは母親の呼びかけにわずかに反応できる程度。経管栄養中である。術前において就寝前1、2時間は添い寝にて下顎挙上し気道を確保しないと呼吸困難となり入眠できなかった。また吸引回数が増加するとストレスとなり嘔吐、ひどい場合は吐血していた。しかし術後は呼吸状態が改善し吸引回数も減少したため身体へのストレスが減少した。それゆえ睡眠リズムも確立してきており、日中の覚醒レベルが向上し学校での活動に参加出来るようになった。また母親も夜安心して睡眠がとれる、あるいは安心して短期入所が利用できるなど心理的なストレスから解放されている。このことからも本児だけてなく家族のQOLが改善されたと考えられる。今回からつ医療福祉センターでも一例を経験することになったがやはり満足度は高かった。リハビリテーションを実施するための準備医療として評価される。

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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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