主催: 社団法人 日本理学療法士協会 九州ブロック会, 社団法人 日本作業療法士協会 九州各県士会
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今回、重度の脳性麻痺の男児8歳の喉頭全摘出術症例を担当することになった。運動機能レベルはGMFCSでレベルV。知的レベルは母親の呼びかけにわずかに反応できる程度。経管栄養中である。術前において就寝前1、2時間は添い寝にて下顎挙上し気道を確保しないと呼吸困難となり入眠できなかった。また吸引回数が増加するとストレスとなり嘔吐、ひどい場合は吐血していた。しかし術後は呼吸状態が改善し吸引回数も減少したため身体へのストレスが減少した。それゆえ睡眠リズムも確立してきており、日中の覚醒レベルが向上し学校での活動に参加出来るようになった。また母親も夜安心して睡眠がとれる、あるいは安心して短期入所が利用できるなど心理的なストレスから解放されている。このことからも本児だけてなく家族のQOLが改善されたと考えられる。今回からつ医療福祉センターでも一例を経験することになったがやはり満足度は高かった。リハビリテーションを実施するための準備医療として評価される。