抄録
脳性麻痺(CP)の随意運動の困難さや脱臼の要因となる痙性を軽減させることを目的に機能的脊髄後根切断術(Functional Posterior Rhizotomy:FPR)を14名のCP児に施行。切断部位はL2からS2までであったが、上肢への影響がみられ日常生活動作(ADL)に変化があった。術後2名はスプーン操作が向上し、2名はお箸操作が可能となった。更衣では6名がズボンの上げ下ろしがスムーズになった。また1名は移乗動作や更衣動作の介助時間が短縮し、介助量の軽減へつながった。<BR>現段階では術後経過が短く、各々の症例の経過報告にとどまっているが、今後長期的に経過フォローしていくとともに、評価内容の検討、整形外科的手術後の上肢機能の変化とFPR後の上肢機能の変化における相違点について検討していく事が課題であると考える。