九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
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Thompson法による終止伸腱再建術後のセラピィ経験
*坂井 綾子
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p. 96

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抄録
 今回我々は、Thompson法による終止伸腱再建術後のセラピィを初めて経験した。Thompson法とは移植腱で斜支靭帯を再建し、そのdynamic tenodesis効果を利用して、DIP関節を伸展させる方法である。終止伸腱は滑走距離がわずか4mmしかなく、わずかな緩みがあれば、容易にextansion lag が生じやすいとされている。そのためセラピィ初期では、DIP関節の屈曲、PIP関節の過伸展運動は、移植腱の緩み・断裂を引き起こすためsplintの常時装着や、splintを装着しての自動伸展運動を行う事で、移植腱に過度の緊張がかからないようにした。逆に術後5週経過後は、PIP関節を過伸展する事で移植腱の緊張を高め、dynamic tenodesis効果を利用してさらなるDIP関節の伸展力の向上を図った。最終評価時では良好な関節可動域と、健側同等の筋力も獲得する事ができ、現職復帰している。
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© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
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