九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
Online ISSN : 2423-8899
Print ISSN : 0915-2032
ISSN-L : 0915-2032
第25回九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
会議情報

橈骨遠位端骨折の自覚症状と手関節機能の関連性
*下仮屋 奈々
著者情報
会議録・要旨集 フリー

p. 98

詳細
抄録
今回橈骨遠位端骨折保存療法を対象に、従来の評価用紙に自覚症状の細分化を行なった経過記録用紙を試行した。自覚症状と手関節機能との関連性について報告する。対象は、評価用紙導入後経過の追えた11症例11関節である。自覚症状は疼痛、可動性、変形、腫脹、神経症状、生活動作、労働能力、満足度に分類し、それぞれ3段階に分けスコア化した。橈骨遠位端骨折の治療成績評価基準(斉藤)の自覚評価でのexcellent・good群5例をG群、fair群6例をP群とし各項目での有意差を検定したところ初期治療時の背屈、最終時の橈屈関節可動域、障害側の握力に差がみられた。ギプス固定(掌屈尺屈位)による拘縮が自覚症状に影響を与えていると考えられ、ギプス固定期間からの訓練プログラムの充実が重要であると思われた。また、労働能力・生活動作は他覚評価に対して相関があったものの、お互いの相関は見られなかった。労働能力は個人の諸因子に左右されやすく、自覚評価の指標に用いることは困難で別項目での記載が望ましいと思われた。   
著者関連情報
© 2003 九州理学療法士・作業療法士合同学会
前の記事 次の記事
feedback
Top