九州理学療法士・作業療法士合同学会誌
Online ISSN : 2423-8899
Print ISSN : 0915-2032
ISSN-L : 0915-2032
第32回九州理学療法士・作業療法士合同学会
セッションID: 44
会議情報

終末期呼吸器疾患における呼吸リハビリテーションの介入
―呼吸リハビリテーションの必要性の検討―
*徳永 伸一村上 恵子西山 賢太郎西嶋 江理岡田 明子山下 由里江上野 康博木下 正治三木 康行
著者情報
会議録・要旨集 フリー

詳細
抄録

【はじめに】
終末期呼吸器疾患患者の呼吸リハビリテーション(以下,呼吸リハ)の関りについては未だ十分ではないのが現状である.今回当院において終末期呼吸器疾患患者に対する呼吸リハを経験したのでここに報告し,今後の呼吸リハのあり方について検討した.
【対象】
平成20年3月~平成22年3月までに終末期呼吸器疾患患者で呼吸リハを実施した28名を対象とした.原因疾患については,COPD11名,間質性肺炎6名,肺癌8名,びまん性汎細気管支炎1名,気管支拡張症1名,結核後遺症1名であった. 呼吸リハについては,1日に2~3回,1回につき10分程度で実施した. 呼吸リハ内容は,離床(散歩等)や呼吸介助を状態観察しながら実施した.
【結果】
今回、担当した終末期呼吸器疾患患者すべてにおいて死亡退院される平均2日前まで呼吸リハを施行した。SpO2の変動については、徒手的呼吸介助施行後COPDや間質性肺炎、結核後遺症についてはSpO2の改善を認めた。しかし肺癌・びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症については大きな変化は見られなかった。自覚症状については徒手的呼吸介助施行後 COPDや間質性肺炎・結核後遺症については「楽になった」や「落ち着いた」といった意見が多かったのに対し肺癌・びまん性汎細気管支炎、気管支拡張症については「気持ちよかった」といった意見多かった。
【考察】
死亡退院される数日前まで呼吸リハを施行した.患者は,呼吸困難感や倦怠感の訴えが強く,死への恐怖も高まり,呼吸をすることで精一杯の状態であったが呼吸リハの介入により短時間ではあるが呼吸が楽になり会話が可能となった.家族との会話も可能になる事で双方の精神面も落ち着いてきた.理学療法士、作業療法士が担当する患者は入院当初より同じであるため,1人1人の患者の病状や全身状態さらには性格なども十分に理解している.しかし終末期呼吸器疾患患者については,退院まで呼吸リハを提供することは少なく,増悪することでリハビリ中止というのが現状である.機能向上つまりADLの拡大だけでなく心理的,身体的な側面での苦痛を和らげることも理学療法士、作業療法士の知識や技術で可能なのではないか.今後のリハビリテーションはチームとして活躍すべきであり,このようなリハビリテーションのあり方を再検討すべきであると考える.

著者関連情報
© 2010 九州理学療法士・作業療法士合同学会
前の記事 次の記事
feedback
Top