持続可能な社会形成を目指すという世界的な合意の中で、ライフサイクル思考(LCT)という視点はますます重要になると思われる。本報告では、現在の学校教育の中で、LCT を取り入れた環境教育の実施における様々な課題を解決する方法として、高校における e ラーニングを取り入れた生徒の自宅学習法の事例を紹介する。専門性のある学習内容は NPO がウェブサイトを通じて提供し、学校側は学習課題と学習法を生徒に示すことで、教員の準備や負担を大きく増やすことなく、多数の生徒が同様の学習をすることが可能であり、LCT の概念の理解や消費行動に関する環境配慮意識の変化という教育効果も期待できることが示された。一方、生徒の IT 環境が一様でないため、トラブルへの対応や支援も必要である。