日本LCA学会誌
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研究資料
画像入出力機器のエンジン方式と製品種別がカーボンフットプリントの結果へ与える影響
加藤 修一
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2025 年 21 巻 3 号 p. 176-184

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抄録

本研究の目的は、プリンタ、複合機に代表される画像入出力機器のカーボンフットプリントの開示情報を分析し、製品間のカーボンフットプリントの比較可能な機能単位の設定に向け、課題を抽出することである。SuMPO EPDで既に開示されている画像入出力機器のカーボンフットプリントは、製品間の比較を前提としていない。しかしながら、脱炭素社会の実現に向け、消費者が適切に製品間の比較を行えるカーボンフットプリントの算定ルールを整備することが求められている。本研究では、ブラザー工業株式会社が開示した155の画像入出力機器のSuMPO EPDの開示情報を分析し、画像入出力機器のカーボンフットプリントの現状と、比較可能な機能単位の設定に向けた提言を示した。提言の内容として最初に、機能単位により製品間の比較をするには、製品間の生涯印刷枚数を揃える必要があること。次に、機能単位である印刷枚数当たりのカーボンフットプリントの算出は、製品のライフサイクルのCO2排出量を生涯印刷枚数で除して算出すること。最後に、機能単位には、使用・維持管理ステージのCO2排出量だけではなく、ライフサイクルのCO2排出量を含むことを説明として記載することの3つである。

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