日本LCA学会誌
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研究論文
多地域間産業連関表を用いたサプライチェーンの経路別分析手法の開発 ―日本の建設業でのケーススタディ―
安藤 聖乃祐川崎 昭如羽勢 晃大
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2025 年 21 巻 4 号 p. 234-247

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抄録

近年グローバル化の進展によりサプライチェーンは複雑化かつ多様化し、環境負荷の排出源の特定がより困難になってきた。その中で、スコープ3の観点でサプライチェーンに伴った間接的な環境負荷排出の責任も考慮する必要性が高まってきた。そこで本稿では、間接排出の割合が高くかつ近年の部材高騰の影響を受けた日本の建設業に焦点を当て、日本の建設業のような長く複雑なサプライチェーンの全体像を産業連関分析により明らかにすることを試みた。そのために、既存の手法では困難であった高次の段階のサプライチェーンを短時間で分析可能な手法と、サプライチェーン内の現実と乖離した経路を排除し有効な経路のみを導出する手法の2つを開発した。これらの手法を用いて建設業のサプライチェーンを経路別に試作的に分析したところ、日本の非木造非住宅建築産業の高次のサプライチェーンでは日本の銑鉄産業が中核を担っており、さらに高次の段階では海外の石油や鉄鉱石の採掘産業に依存することが分かった。また、これらの原材料の輸入先を変更することで、CO2排出量を削減できる可能性を示唆できた。

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