シェアリングやサブスクリプションといった新たなビジネスモデルは炭素中立に向けた取組としての期待が高いが、その実際の効果については多くの議論がなされている。本稿では、筆者らの研究グループにおいて検討を行ってきたシェアリングの事例の中で、傘、乳幼児用品、電動キックボードをとりあげ、これらの評価に取り組む過程で検討・議論してきたことを紹介した。LCAにおいては、機能単位が重要な概念の1つであるが、シェアリングの評価においてはこの機能単位の設定がそぐわないものも多いと考えられ、また、その場合にどのような比較の枠組みがあるのかも十分に議論できていない状況にあると考えられる。リバウンドも含めシステムの変化全体を評価していくことが必要なのであろうが、そうした評価が簡単ではないことも事実であり、様々な事例を踏まえつつ、適切な評価へと議論が進むことを期待する。