近年、人間活動に起因する海洋環境への負荷が世界規模で増大する中、インパクトが最も集中する沿岸生態系や水産資源への影響が危惧される。沿岸域は人間活動と生態系が互いに影響し合う社会・生態システムを形成しており、「生態系アプローチ」(Ecosystem Approach)による環境管理(Ecosystem-Based Management; EBM)を通し、複雑に相互作用する生態系の特性と、社会がそこに及ぼす影響について理解しながら資源管理を行う必要がある。このアプローチは、生態学的、社会学的、政策学的な学問分野を統合し、海洋を利用する多様なステークホルダー(市民、事業者、研究者、行政等)と連携しながら人間社会が海洋環境に与える複合影響の最小化を図り、海洋生態系の保全と生物資源の持続可能な利用を目指す試みである。