日本LCA学会誌
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解説
環境DNAを用いた東北沿岸の魚類多様性と南方系魚種のモニタリング
村上 弘章
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2026 年 22 巻 1 号 p. 16-22

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抄録

環境DNA(environmental DNA; eDNA)は、環境中に放出された生物由来のDNAである。近年では、eDNAを検出することで、生物の在不在や多様性、さらには生物量の推定が試みられている。日本沿岸では、著しい海水温の上昇や環境変化などの影響により、水産資源量の減少や漁獲種組成の変化が起こっている。持続可能な漁業の実現と水産資源の適切な利用のためには、現在における生物相評価が不可欠である。フィールド研究では、宮城県気仙沼市舞根湾における継続的なeDNAデータから、魚類相の季節変化と地点間の違いが明らかになり、水温上昇と南方系魚種の出現が連動することが示された。このように、対象水域の魚類多様性を推定するうえで、eDNA手法は極めて有効であり、これを用いた未利用・低利用資源の活用方法に関しても検討した。

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