LCとLC/MSの知恵
Online ISSN : 2436-1194
シリーズ「試料分析の定石とコツ」
総論(前処理編)
中村 洋
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ジャーナル オープンアクセス

2020 年 1 巻 p. 70-76

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抄録

実試料を分析する上で肝要な事は、分析種(analyte)と試料マトリックス(matrix)を知る事に尽きる。事前に知っておく可き基礎的な情報としては、分析種については試料中の推定存在濃度、分析種の化学的・生物学的性状(特に安定性)、又、マトリックスについては妨害成分の種類と濃度である。分析種が化学的に特定出来る場合には、試料中の濃度を勘案して検出法を或る程度絞る事が出来、適した前処理法と分離法の設計が可能になる。総論では、試料を LCや LC/MSで分析する場合の化学操作ごとに主な定石とコツを紹介するが、本稿では前処理について解説する。

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© 2020 公益社団法人日本分析化学会・液体クロマトグラフィー研究懇談会
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