架橋高分子のグラフト鎖は、その長さや樹脂組成によって製品物性に影響を及ぼす事から、詳細なグラフト鎖解析は非常に重要である。一方で、架橋高分子は溶剤に不溶である事から、サイズ排除クロマトグラフィー(size exclusion chromatography, SEC)を用いた分子量分布測定や、核磁気共鳴分光法(nuclear magnetic resonance, NMR)を用いた組成分析が難しい。本検討では、コアシェル型グラフトゴムのグラフト鎖を評価する手法として、機械的な破砕による分解に着目し検討を行った。結果、破砕する事により可溶化した成分は、グラフト鎖を反映した分子量・組成をもつ事が分かり、前処理方法に一定の効果が有る事を明らかにした。又、可溶化した成分をGPEC(gradient polymer elution chromatography)で分析する事により組成の詳細解析が可能となった。本手法は化学結合によらない前処理方法である事から、種々の架橋高分子分析に応用出来る可能性が有る。