蝶と蛾
Online ISSN : 1880-8077
Print ISSN : 0024-0974
Notes on Buzura (Amraica) recursaria (WALKER) and its Allies from Japan and Adjacent Countries, with Description of a New Subspecies (Lepidoptera: Geometridae)
Rikio SATO
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1981 年 32 巻 1-2 号 p. 85-93

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抄録
わが国のウスイロオオエダシャクは従来インドのBuzura (Amraica) recursaria (WALKER)と同一種とされ,本土の個体群はsubsp.superans,屋久島以南の琉球の個体群はsubsp. asahinaiとして扱われてきた,最近下甑島(鹿児島県)と屋久島において,それぞれ同一地点で同時に採集された両"亜種"の標本を見出したことから再検討した結果,共に独立種として扱うべきであり,さらにそれらはrecursariaとも異なる種であることが判明した.またウスリー・朝鮮のconfusaは,superansの亜種であり,台湾のBuzuraはsuperamsであるが色彩斑紋に明らかな差があることから別亜種として扱うべきこともわかった.なお亜属Amraicaは,♂触角が片櫛歯状という顕著な特徴をそなえており,将来属に昇格される可能性があるが,狭義のBuzuraと交尾器などの比較検討をおこなっていないので本報では従来の取扱いに従った.Buzura(Amraica) recursaria(WALKER).インド,ビルマ,ジャワ,トンキン,ニューギニア. B.(A.) superans superans(BUTLER)ウスイロオオエダシャク.日本(北海道,本州,四国,九州,対馬,下甑島,屋久島). B.(A.) superans confusa(STAUDINGER)ウスリー,満州,朝鮮, B.(A.) superans taiwand SATO 台湾. B.(A.) asahinai INOUEアサヒナオオエダシャク(新称).日本(下甑島,屋久島,奄美大島,沖縄,久米島,宮古島,石垣島,西表島).
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© 1981 日本鱗翅学会
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