2016 年 67 巻 1 号 p. 22-24
宮野昭彦氏によって採集された日本産のハマキガ科ヒメハマキガ亜科の未知種を検討したところ,日本新記録となる Orientophiaris nigricrista であることが判明した.現在,本属には本種とO. altissima (Kawabe, 1978) ヘリグロヒメハマキが含まれる.後者は前翅前縁の先端が強く曲がる,雄交尾器のサックルスは大きな鋭い突起の代わりに長い剛毛束を基部にもつという Orientophiaris 属のタイプ種 (O. nigricrista (Kuznetzov, 1976) ) とは異なる特徴を有する.このため,ヘリグロヒメハマキは本属でない可能性があるが,今後さらなる研究が必要である.
Orientophiaris nigricrista (Kuznetzov, 1976) ミヤノクロオビヒメハマキ(新称)
前翅開張 9-12 mm.前翅はクリーム色がかった褐色で,翅頂と中帯が黒褐色である.雄交尾器のバルバのサックルスは後方2/3 に先端が尖った突起を,後方端に1 本の太い剛毛と細い剛毛束を有する短い突起を有する.分布:ロシア(沿海州),中国(山東省),朝鮮半島,日本(岐阜県). 寄主植物:不明.
本種は,Endothenia gentianaeana (Hübner, 1799) ツマジロクロヒメハマキに外部表徴で類似するが,前翅基部の色彩が黒褐色でなく,クリーム褐色であることで識別可能である.
なお,Gilligan et al. (2014) は,本属の創設はKuznetzov (2001) で,タイプ種はO. altissima (Kawabe, 1978) と記 しているが, これは明らかな間違いで, それぞれ Kuznetzov (1999),O. nigricrista (Kuznetzov, 1976) が正しい.