2019 年 70 巻 2 号 p. 33-46
Meleonoma属は日本ではあまり知られていなかったが,従来Acryptolechia属として扱われてきたホソオビキマルハキバガM. malacobyrsa (Meyrick, 1921)を含む属で,約25種からなるといわれている(Lvovsky, 2015; Park and Park, 2016).
Acryptolechia属はMeyrick (1921)によって日本から記載されたホソオビキマルハキバガA. malacobyrsa (Meyrick, 1921)を模式種としてLvovsky (2010)が設立したが,その後Meleonoma属のシノニムとされた(Lvovsky, 2015).本報では上田(2013)においてヘリクロコマルハキバガAcryptolechia sp. 1とされていた種とそれに近縁であると考えられる3種について検討し,3新種および1日本新記録種を見出したため,成虫外見,翅脈,雌雄交尾器を図示し,記載を行った.
上田(2013)が記録したウスオビヒメマルハキバガA. sp. 2はMeleonoma属に含まれる未記載種であるが,十分な標本がないため本報では取り扱わなかった.
また,従来マルハキバガ科では,Periacma属のスジモンキマルハキバガ(P. delegata Meyrick, 1914)とMelenoma属のホソオビキマルハキバガM. malacobyrsa (Meyrick, 1921)のように和名だけでは属の所属がはっきりとせず和名を混同する問題があった.本報ではMeleonoma属をコマルハキバガ属とし、和名の語尾をコマルハキバガに統一することで,他の近縁属との和名の混同をなくした.