蝶と蛾
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チャグロマダラヒラタマルハキバガDepressaria spectrocentra Meyrick, 1935(チョウ目:ヒラタマルハキバガ科)の正確なタイプ産地の情報および新寄主記録について
荒島 彈 屋宜 禎央広渡 俊哉
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2024 年 75 巻 3-4 号 p. 129-133

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抄録

チャグロマダラヒラタマルハキバガDepressaria spectrocentra Meyrick, 1935は,江崎悌三博士が採集した雌1個体に基づき記載された種で,国内では本州,伊豆諸島,九州で記録があるほか,韓国(済州島)でも記録されている(坂巻,2013;鈴木ら,2018;Lee and Jeun, 2023).タイプ産地については “Okinosima (a small island)”と記されているのみで,「本州(沖ノ島)」(井上,1954)や「福岡県沖ノ島」(森内,1982)など文献によって表記が異なり,どの島を指すか不明(坂巻,2013)とされていた.九州大学のコレクションを調べたところ,ホロタイプと同じ年月日に筑前沖ノ島(福岡県宗像市)で採集された個体を含む多数のD. spectrocentraの標本が見つかった.そのため,本種のタイプ産地は筑前沖ノ島であることが明らかになった.

また,本種の幼虫は海岸植物のイソギクを寄主植物とすることが鈴木ら(2018)で報告されているが,新たに同じく海浜植物のキノクニシオギクを寄主植物とすることを発見するとともに,成虫の出現時期や幼虫に関する生態情報を得た.

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© 2024 日本鱗翅学会
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