抄録
窒素酸化物の排出を考慮に入れた公共物流拠点の立地モデル
ロジスティクスは企業の生産・物流活動の効率化を図るビジネスロジスティクスから、交通渋滞、環境、エネルギー消費などの社会的視点をも考慮に入れたソーシャルロジスティクスへと進化してきている。公共物流拠点の立地場所を選定する際にも、従来の輸送費用最小化といった観点のみならず、トラック輸送に伴う排気ガス問題などの環境面についても考慮に入れなくてはならない。本研究では、総輸送費用や拠点の運営費用からなるロジスティクス費用と、渋滞による速度低下を考慮したトラック輸配送に伴う窒素酸化物の総排出量を最小化する物流拠点の数とその配置を求める数理計画モデル、およびその解法を提案する。さらに、このモデルを東京首都圏に適用し、物流拠点の適切な配置、総費用および窒素酸化物の総排出量を分析する。