抄録
グローバル化するサプライチェーンの拡大にあわせて、小売業が解決すべき課題や直面するリスクは増加している。一方、ステークホルダーである株主や消費者、従業員という立場から企業に対して意見を主張し、影響力を行使するようになってきた。企業を取り巻く環境が変化する現在において、コーポレート・レピュテーションは今後の経営を左右する極めて重要なマネジメント指標であると考える。これまで、コスト効率の追求が中心であったSCM分野へ「レピュテーション」という概念を持ち込むことで、新たな価値を創造し競争優位の構築が可能となる。さらに、レピュテーション構築に必要となるRSCMへの取り組みによって、営業力向上効果、環境負荷削減効果、財務的効果、という3つの経済的効果が期待できる。