日本物流学会誌
Online ISSN : 1884-6866
Print ISSN : 1349-3345
ISSN-L : 1349-3345
3PLビジネスにおける契約料率設定に関する一考察
野口 英雄
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 2008 巻 16 号 p. 105-112

詳細
抄録
3PLビジネスにおいては、商流の決済方式に準じた商品通過金額の歩率 (%) で委託料金契約を締結することが多く、受託事業者の採算管理を困難にしている。それは従来の物流原価要素とはおよそかけ離れた商品価額のスライドであり、さらに包括的な一気通貫業務としての単純一律設定で事業リスクが極めて大きくなる。
この採算確保にはまず与えられた物流条件を精査し、受託業務範囲を明確化してコストに落とし込み、契約期間内での条件変化を許容し得る範囲を設定しなければならない。厳密には活動基準原価計算 (ABC) によるべきだが、コンペに対応する迅速な簡易型査定方式を持つ必要がある。またこのような変動型契約方式では事業コスト構造を変動的なものとする等、多くの業務改革が不可欠となる。
著者関連情報
© 日本物流学会
前の記事 次の記事
feedback
Top