2025 年 10 巻 2 号 p. 125-130
本研究は,上肢筋群を対象にフォームローリング(FR)が介入側および非介入側の最大筋力におよぼす影響を明らかにすることを目的とした.健常成人18名を対象とした.本研究における最大筋力は握力とし,ベースライン(BL),介入前(PRE),介入後(POST)に測定を行った.握力の測定は利き手・非利き手の順で行うことを1 setとし,計3 set行い,解析には最大値を用いた.FRは非利き手の前腕屈筋を対象とした.介入時間は30秒を3 set,set間の休息は30秒とした.介入側と非介入側ともにBLとPREに有意な差は認めなかったが,BL,PREと比較しPOSTが有意に低値を示した.FR介入直後は,介入側のみならず非介入側の最大筋力が低下する可能性が示唆された.