抄録
ニホンジカ個体群のモニタリングに用いられているほとんどの相対密度指数間には一貫性が認められているものの, 生息数は多くの地域で過小評価となっている. 個体群管理を開始する際に, 推定生息数を基に捕獲数を決定しなければならないので, センサスの正確度がとりわけ重要となる. 過去の経験に基づいて, モニタリング手法による生息数の過小評価の程度を検討する必要がある. 捕獲数と個体群成長率は既知なので, 強度な捕獲圧をかけて一度個体数を減少させると, 個体数を推定することが可能となる. モニタリング手法の開発, 広域モニタリングおよび交通事故・列車事故などの国家規模でのモニタリングが重要である.