哺乳類科学
Online ISSN : 1881-526X
Print ISSN : 0385-437X
ISSN-L : 0385-437X
短報
滋賀県朽木におけるミズラモグラの存在,とくに低標高の地における生息について
相良 直彦上田 俊穂西田 富士夫正井 俊郎
著者情報
ジャーナル フリー

2008 年 48 巻 1 号 p. 31-38

詳細
抄録
担子菌ナガエノスギタケはモグラ類の巣の近傍の排泄所から特異的に生えるので,これを手がかりとしてモグラ類の巣を探知できる.この方法によって滋賀県高島市朽木において調査した巣のうち3例はミズラモグラのものであった.これらの例は,標高770 m,440 m,および260 mにあった.巣の同定は,坑道の径と巣および排泄所に残存する体毛の形態とによっておこなった.さらに,標高260 mの例では,巣を使用中のミズラモグラを捕獲して巣の同定を補完するとともに本種生息の直接証拠とした.滋賀県北西部における本種の存在と,このような低標高地点における本種の営巣・生息が報告されるのは初めてである.
著者関連情報
© 2008 日本哺乳類学会
前の記事 次の記事
feedback
Top