哺乳類科学
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特集 やんばる国立公園・奄美群島国立公園指定記念:中琉球の哺乳類の生態,行動,保全
リュウキュウマツの食痕を指標とした徳之島のケナガネズミの分布調査
城ヶ原 貴通越本 知大
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2017 年 57 巻 2 号 p. 211-215

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抄録

ケナガネズミ(Diplothrix legata)は南西諸島の固有種であり,かつ絶滅が危惧されているが,徳之島における分布・生息状況については,目撃情報やロードキルなどの断片的情報に限られている.我々は徳之島の森林全域において,リュウキュウマツ(Pinus luchuensis)の食痕を指標としたケナガネズミの糞の探索による本種の分布調査を2015年8月に実施した.その結果,ケナガネズミの糞を島北部の天城岳,三方通岳周辺,島中部の井之川岳,美名田山,剥岳周辺ならびに島南西部に位置する犬田布岳周辺において確認した.これらの情報の中には,これまでケナガネズミの分布が報告されていなかった井之川岳南部や犬田布岳西部の分布確認も含まれていた.

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© 2017 日本哺乳類学会
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