哺乳類科学
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報告
奄美大島におけるヤンバルホオヒゲコウモリMyotis yanbarensisとリュウキュウテングコウモリMurina ryukyuanaのねぐら5事例
浅利 裕伸木元 侑菜野田 健司
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2021 年 61 巻 1 号 p. 49-54

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抄録

奄美大島においてヤンバルホオヒゲコウモリMyotis yanbarensisのねぐら3事例とリュウキュウテングコウモリMurina ryukyuanaのねぐら2事例を2016年~2019年に確認した.ヤンバルホオヒゲコウモリは,森林内のカルバートの天井に開いた水抜き穴や天井の隙間で休息していた.また,2個体が冬季に樹洞を利用していたことから,本種は人工構造物のほか,樹洞をねぐらとすることが明らかとなった.リュウキュウテングコウモリは,地上高2.2 mの位置にある枯葉内で休息する1個体が確認された.また,森林内の枯死木の内部に1個体が確認された.本研究において,これら2種が樹洞や枯死木を利用していることが示されたことから,樹洞木や枯死木が2種の保全に重要な役割を果たすと考えられるが,事例が少ないためさらなる研究が必要である.

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© 2021 日本哺乳類学会
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