計量国語学
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解説
言語統計学入門(5) ― 比率に差があるのかないのか ―
入江 さやか
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2022 年 33 巻 5 号 p. 351-361

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抄録
言語を量的に分析する際は,コーパス調査やアンケート調査を行い,語・品詞・語種・字種・共起語,「はい」と答えた人数,など様々な調査項目の頻度から比率を求め,その差を用いて違いを述べることが多い.しかし,コーパス調査やアンケート調査は,全数調査でなく,標本調査であることがほとんどである.標本調査で得た比率を母集団の比率と同等に扱ってはいけない.また,比率で比較する場合でも,標本サイズは必ず記さなければならない.10/50と20/50の比率と,4/20と8/20の比率はともに前者20%,後者40%で同じで,比率の差は20ポイントであるが,後者の場合は,実質的な意味のある差ではない.分母,すなわち標本サイズが重要である.本稿では,いくつかの具体例を計算式と共に示しながら,比率に差があるのかないのかについて注意すべき点について述べる.統計的な説明は最小限にとどめ,四則演算と平方根の知識で理解できる計算式で示す.
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© 2022 計量国語学会

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