抄録
質的データを分析する際に,クロス集計表の形で示すことは,どのような手順で分析を行ったかを明確に示すために重要である.本稿ではクロス集計表に関わる用語を紹介した上で,条件とカテゴリー数の異なるクロス集計表について,検定法を示した.クロス集計表の種類は,2条件(対応がある場合,対応がない場合),対応のないi×j表を取り上げた.
また,カイ二乗検定を適用することが不適切となる場合の対応法として,⑴各セルのデータ数を一定数以上とするためにデータ数を増やすこと,⑵フィッシャーの正確確率検定を利用すること,を取り上げ,カテゴリーの合併の弊害についても述べた.