抄録
本稿では,交互平均法をクロス表の分析に活かす応用例をいくつか示す.
まず,交互平均法を拡張クロス表に適用する例を取り上げる.先に仮説があって,それを確認するために質問調査によってデータを収集した場合に交互平均法が適用できるだけでなく,特に仮説がない場合でも,探索的データ解析の手法の一つとして交互平均法を適用できる.また,データを収集する際に,段階点を尋ねるタイプの質問調査に応用できるだけでなく,特に回答に段階性がないデータであっても,交互平均法によって拡張クロス表が見やすくなり,結果が読み取れるようになる例を示す.
次に,過去の研究に対して交互平均法を適用して,研究結果がよりわかりやすくなる例を示す.論文の記述に見落としが見つかる場合,論文が分析対象にしていないものを扱う場合,著者の示したグラフを書き直して結果をわかりやすくする場合などを例示する.
最後に,クロス表によっては交互平均法を適用しても意味がない場合があることを示し,どんなクロス表でも交互平均法を適用すれば解析できるということではないことを述べる.