2019 年 36 巻 p. 207-211
次世代商品群のエンジン部品は高機能化により,その加工時間は常に増える傾向である。そのため,加工品質を保証しつつ,更に高能率で加工を行うためには,加工中の切削状態を把握し,切削力に合わせて切削条件を適切にコントロールする必要がある。
これを実現するため,①正味切削力を高精度に計測する「切削力センシング技術」,②この技術により得られた実切削力とCAEとの整合取りを行い,最大切削効率となる切削力の目標値をCAEで予測する「切削力決定方式」,③これらの技術をベースとし,刃具摩耗や被削材硬度の変化に対し,常に最大切削能率となるように切削条件をコントロールする「適応制御技術」を開発した。これらの取り組みについて紹介する。