マツダ技報
Online ISSN : 2186-3490
Print ISSN : 0288-0601
論文・解説
塗装部の耐食性迅速評価技術のモデルベース研究開発
浅田 照朗佐々木 將展江﨑 達哉重永 勉髙見 明秀
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2021 年 38 巻 p. 133-138

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抄録

自動車の防錆品質は,お客様の安全・安心に直結し非常に重要である。自動車の腐食対策を高精度かつ高効率に実現する技術は,品質の迅速な造り込みに不可欠で,商品価値向上に寄与する。従来の実腐食試験をベースとした防錆技術開発では,市場の代表的な腐食環境に基づき,腐食を促進することで市場15年相当のダメージを2~4ヶ月程度(業界標準)で与え,発生した錆の程度を性能の判断指標としてきた。従来方法では時間が掛かる上に,さまざまな状態の錆を目視で評価するため,結果は定性的であった。この課題を克服すべく,防錆塗膜の性能発現メカニズムに基づいたモデルベース研究開発手法を活用し,塗装部の耐食性を電気化学的に迅速に定量評価する技術を開発した。本報では,この耐食性の迅速評価技術と,その効果について説明する。また,技術適用先として,新規防錆技術の開発へ適用した事例を紹介する。

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