近年,社会とクルマの共存の観点から,車外騒音規制の強化が進められており,内燃機関搭載車は,エンジン音の低減が求められている。特に,エンジン音の中でも排気吐出音は,この車外騒音規制に加えて,お客様が静粛性やサウンドといった車の価値を感じ取るための重要な要素の一つとなっている。こうした中,これまで開発効率化のために排気吐出音の予測技術開発に取り組んできたが,厳しい規制対応とサウンド進化を両立していくためには,これまでよりも綿密な排気吐出音のコントロールが必要であり,それには従来よりも高い予測精度が求められる。そこで,排気吐出音を構成する気流音と脈動音に対して,新たに計測結果の分析技術の構築や,CFD(Computational Fluid Dynamics)や音響解析モデルの改良により,予測精度を大幅に向上させた。本稿では,その取り組みについて報告する。