松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
十二指腸下行脚ソマトスタチノーマの1 例
吉岡 宏金治 新悟倉吉 和夫河野 菊弘金山 博友井上 淳吉田 学
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2009 年 13 巻 1 号 p. 85-89

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抄録
患者は78 歳の男性で、上部消化管内視鏡検査にて十二指腸乳頭部より1.2cm 口側に2cm 大の腫瘤みられ、生検で中等度分化型腺癌と診断された。糖尿病以外に内分泌症状や胃腸症状はみられなかったが血清ソマトスタチンは140pg/ml と高値であった。十二指腸癌の診断にて幽門輪温存膵頭十二指腸切除を施行した。腫瘍は膵頭部に浸潤し、膵頭部周囲リンパ節にも転移がみられたが肝転移はみられなかった。腫瘍細胞は充実性に索状から腺管状構造を呈していた。核分裂像や砂粒体はみられなかった。免疫組織化学検査ではソマトスタチン強陽性、クロモグラニンA 陽性で、インスリン、ガストリン、PP、セロトニン、グルカゴンは陰性でソマトスタチノーマと診断された。術後1 年4 か月経過し無再発生存中である。
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© 2009 松江市立病院
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