抄録
前十字靭帯再建術後の筋委縮は筋力低下をきたし,スポーツ復帰を阻害する大きな要因となる.また,筋力低下の原因は筋萎縮のみでなく神経・筋機能の働きの変化が筋力に大きく影響しているといわれている.今回,筋萎縮の評価として大腿周径,神経・筋機能の評価として表面筋電図を利用して,前十字靭帯再建術後の大腿周径と表面筋電図を経時的に調査した.大腿周径の健患差は術後21 日に膝蓋骨上縁15 cm で最大6 cm となった.これらの原因として疼痛,全荷重時期,トレーニング量の制限が考えられた.また,表面筋電図の筋積分値は術後に減少し,その後漸増的に増加した.平均周波数は高周波化がみられた.筋活動を示す筋積分値は術後の疼痛によって減少したと考えた.また,平均周波数の高周波化は筋線維伝導速度や筋収縮に参加している運動単位数の改を示す結果であった.表面筋電図を用いて筋積分値や平均周波数を算出しグラフ化することで筋収縮の活動様式の変化を可視化することができ,これらのグラフをフィードバックすることで,ポジティブにリハビリテーションに取り組むことができ有効であった.