松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
外来患者における慢性心不全患者の自己管理支援
殿岡 真夕子池田 貴美江景山 ミサエ保田 和子
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2016 年 20 巻 1 号 p. 11-18

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抄録

本研究の目的は,外来における慢性心不全患者の自己管理にあたりどのような支援を行うことが効果的であるのか明らかにすることである.2011 年8 月~ 2012 年2 月に医師が心不全と診断し継続治療を行っている外来通院患者で,対象者は3 名ですべては男性,A 氏は40 代EF40%,心不全入院回数1 回,B 氏は80 代EF35%,心不全入院回数5 回,C 氏は80 代EF31%,心不全入院回数4 回を対象に自己管理聞き取り調査表を用いて,半構造化面接法で患者の現状把握を実施.自己管理ノートを元に患者の状態把握を行い,症状悪化時,原因・理由を明確にして,患者と共に方法を再検討した.個別面接を行い,得た情報を基に看護介入し,介入前後の反応を比較検討した.今回の結果から,自己管理ノートの活用は患者自身が病状把握でき,医療者も看護支援を探る糸口となる.セルフモニタリングができる患者に対し自己管理ノートは効果的な支援につながった.多様な家族関係,高齢者独居も多く,身体機能に配慮しながら患者と共に実行しやすい方法を考え指導していく事は効果的な支援につながる.個々の患者に対し相談できるという安心感を与えることが,信頼関係構築にもつながる.患者の言葉を傾聴し共感することで思いを引き出し,気がかりを明確にしてそれを踏まえた療養指導など患者と共に考え実践することが効果的な支援につながるのではないかと考えられた.

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