2019 年 22 巻 1 号 p. 28-32
看護師から放射線部への放射線検査・治療に関する問い合わせが多く,放射線部の日常業務の支障となる場合がある.頻度の高い問い合わせの項目をQ & A(質問と回答)としてマニュアル化すれば放射線部への直接的な問い合わせが減り,効率的な業務が行なえることが期待できる.本研究の目的は,アンケート調査により頻度の高い看護師の疑問を明らかにし,その結果から作成するマニュアルの有用性を検討することである.放射線部への問い合わせに関するアンケート調査の結果から頻度の高い問い合わせ項目を「放射線検査・治療FAQ パーフェクトガイド」としてマニュアル化し,冊子および電子カルテで閲覧できるデジタルデータとして配布した.これに対する6 か月後のアンケート調査では,看護師の69.3 %が実際に使用し,その86.0 %が有効と評価した.しかし,14.0 %でマニュアルだけでは不十分と評価されており,必要に応じて電話などで直接質問ができるようにしておくことも重要と考えられた.また,このマニュアルは定期的に見直して,さらに使いやすいものにしていく必要があると考えられる.