松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
小学校の内科検診で発見された左冠動脈肺動脈起始症(ALCAPA)の7 歳男児例
辻 靖博辻本 美沙米田 尚弘上山 潤一田中 雄二
著者情報
ジャーナル オープンアクセス
電子付録

2019 年 23 巻 1 号 p. 49-53

詳細
抄録
小学校の検診で心雑音を契機に発見された,無症状の左冠動脈肺動脈起始症の7 歳男児例を経験した.胸部X 線,心電図では異常は認めず,経胸壁心エコーでも心機能は良好,軽度の僧帽弁逆流があるのみで,ルーチン検査のみでは異常は無いように思われた.しかし,右冠動脈の拡大,カラードプラによる心室中隔,左室壁,右室壁内の微少な連続性シャント血流の存在から本疾患を疑い,360 列CT 装置による冠動脈造影CT 検査で確定診断した.突然死の危険性も考慮されたため,専門施設へ紹介し,心臓カテーテルおよび造影検査の後,早期の手術を予定された.無症状のまま気づかれずに学童期,成人期に達する「成人型」の症例は,稀な疾患ではあるが突然死の危険性もあり,心雑音の精査などで心エコーをするときは,本疾患も念頭に置いて詳細に見ていく必要がある.また,320 列CT 装置は,小児でも冠動脈を良好に描出することができ,小児における先天性冠動脈起始異常の診断に有用であった.
著者関連情報
© 2019 松江市立病院
前の記事 次の記事
feedback
Top