松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
ペースメーカー植え込み術後にたこつぼ症候群を発症した1 例
古志野 海人山口 直人大嶋 丈史広江 貴美子太田 庸子岡田 清治太田 哲郎
著者情報
ジャーナル オープンアクセス
電子付録

2019 年 23 巻 1 号 p. 43-48

詳細
抄録
症例は96 歳女性.労作時呼吸困難を主訴に近医を受診.HR40 回/ 分の完全房室ブロックを認め当院紹介.徐脈による心不全の合併が認められペースメーカー植え込み術を行った.術後2 日目に心不全が増悪,心エコーで初診時には認められなかった心尖部の壁運動異常が出現し,トロポニンI は3.445 ng/mL と上昇,心電図胸部誘導V2-6 に巨大陰性T 波が出現した.利尿薬やβ blocker を使用し,心不全は改善,心尖部の壁運動異常も改善し自宅へ退院することができた.たこつぼ症候群はストレスが誘因となり,高齢の女性に好発するが,本症例のようにペースメーカー植え込み後に発症した症例も報告されており,術後に心不全が増悪する症例では本疾患の合併を疑う必要がある.
著者関連情報
© 2019 松江市立病院
前の記事 次の記事
feedback
Top