抄録
平成9年まで6年間に精神科に入院した患者915人の初回入院時の貧血の有無を調べ,精神疾患の疾患ごとに検討した.全体としての貧血の頻度は5.5%と高くはなかったが,老年期精神障害者に限ると18.4%に貧血を認め,軽度の貧血も含めると73.7%であり,潜在癌を含めた二次性貧血の成因検索が必要と考えられた.またアルコール症患者の貧血の40%は大球性であり葉酸欠乏等の栄養障害が疑われた.2例に巨赤芽球性貧血と共に痴呆,せん妄等の精神症状が認められ,それぞれの原因として胃切後のビタミンB12吸収障害と食餌性の葉酸摂取不足が考えられた