松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
アルコール依存は精神分裂病の発病を抑制することはないか?
今岡 雅史
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ジャーナル オープンアクセス

2000 年 4 巻 1 号 p. 63-66

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抄録
長年のアルコール依存症の経過中,又は断酒をして後に精神分裂病を合併した5症例を報告した.それらの病歴を「病前性格を軸にして,様々な人間関係の困難さをアルコール依存症で紛らせ,何かの事情で断酒をした後に幻覚・妄想等の分裂病(的防衛)で生きざるを得なかった」とできるだけ了解的に記述した.従来より,アルコール依存が分裂病発症の引き金になる,という考えがあるが,著者は症例を通して逆に「アルコールによって精神分裂病の明確な発病が抑制される可能性がある」と考える
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© 2000 松江市立病院
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