松江市立病院医学雑誌
Online ISSN : 2434-8368
Print ISSN : 1343-0866
平成10年度に経験した耳鼻咽喉科領域の結核症の3例
村井 紀彦塩見 洋作塩見 佳子小西 龍也龍河 敏行矢野 修一
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キーワード: 結核, 耳鼻咽喉科
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2000 年 4 巻 1 号 p. 67-71

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抄録
第一例は54歳女.後鼻漏のため初診.上咽頭左側壁,左側後上壁に約2cm大の腫瘤,左上内深頸節に径2cmのリンパ節を触れた.上咽頭腫瘤の生検にて乾酪壊死を伴う肉芽腫.イソニアジド(INH),リファンピシン(RFP),エタンブトール(EB),ピラジナミド(PZA)の4剤の投与開始.6ヵ月の治療で上咽頭,頸部リンパ節共に病変は消失.第二例は74歳女.糖尿病性腎症にて血液透析中.既往に肺結核.左頸部腫瘤にて初診.左副神経領域に径2cmのリンパ節腫脹.穿刺吸引細胞診で類上皮細胞.試験切除にて乾酪壊死,ラングハンス巨細胞を伴う類上皮肉芽腫を認め,頸部リンパ節結核と診断.第三例は74歳男.後鼻漏にて初診.咽頭に極めて多量で粘稠な後鼻漏.副鼻腔CTで両側上顎洞に軟部組織陰影充満.後鼻漏の結核菌塗抹検査でガフキー3号を認め上顎洞結核と診断した
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